実例付き!学級通信タイトルの付け方3ステップ

仕事術

「学級通信を書きたいのに良いタイトルが思いつかない!」
「学級通信のタイトルってどんなのが良いのだろう?」

今回は、そんなお悩みをお持ちの先生方に向けて、
私が過去に実践していた学級通信のタイトルの付け方をご紹介します。

学級通信のタイトルを決めるタイミング

学級通信のタイトルを決めるタイミングとしては、

○学級開き前(担任が決める)
○学級開き後(学級で決める)

の2つが挙げられます。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、どちらが良いかを考えた上で決めましょう。

学級開き前に決めるメリット

学級開きの前に学級通信のタイトルを決める最大のメリットは、
「時間をかけて考えられること」です。

学級通信は学級経営において、「担任と子ども」「子どもと子ども」「学校と家庭」を繋ぐための重要なアイテムといえます。授業が始まると、なんだかんだで毎日が慌ただしく過ぎていくため、学級通信のためにかけられる時間はそこまで多くありません。日々の成長の様子を伝えていく大切な学級通信に、しっかりと自分の気持ちを込めたいという場合は、春休み期間を使うことで自分の納得のいくタイトルを付けることができるのではないでしょうか。

学級開き前に決めるデメリット

学級開きの前に学級通信のタイトルを決めるデメリットは、
なんといっても「時間がかかってしまうこと」です。

私は春休み中に学級通信タイトルを考えたことが何度もありますが、ゼロから考えようとすると、余裕で2時間~3時間はかかります。ただでさえ忙しい春休み期間に、「考える」という作業を学校で行うのはもったいないので、通勤や昼食休憩などの時間を使うのがおすすめです。

学級開き後に決めるメリット

学級開きの後に学級通信のタイトルを決めるメリットは、
「子どもたちと一緒にタイトルを考えられること」
「子ども同士で交流させたり、話し合い活動をさせられること」
などが挙げられます。

自分たちが考えたものが学級通信のタイトルになれば、子どもたちは学級通信に愛着がわき、配られるのが楽しみになるでしょう。タイトルを考える担任の負担軽減にもなります。
また、活発な子どもが多い学級や子どもたち同士がほとんど顔見知りである学級であれば、子どもたちの交流の時間を取り入れることで、学級の緊張をほどよく和らげたり、ひとりひとりを観察して子ども理解に繋げたりすることもできます。

学級開きの後に決めるデメリット

学級開きの後に学級通信のタイトルを決めるデメリットは、
「担任の思いとマッチしない場合があること」
「学級開きのときに学級通信を配布できないor仮タイトルでの配布になること」
が挙げられます。

子どもたちがタイトルを決めるのには、それなりのリスクも伴います。学級の子どもがふざけたり、周囲が不快になるようなことを言ったり、他の子どもの考えたものをばかにしたりといったことが起これば、当然指導しなければなりません。

また、子どもたちは大人が思いつかないようなことをどんどん出してくるので、漠然とでも「こういう感じがいいなあ…」というイメージがある場合も、担任が決めてしまったほうが無難です。子どもたちと一緒に考える場合は、1年間使う大切なタイトルであることをしっかり伝えて、ウケ狙いのタイトルにならないように心がけましょう。

仮タイトルで学級通信を配布するときは、「○年○組 学級通信」のようなシンプルなタイトルにしておくとよいと思います。

学級通信タイトルの付け方

学級通信タイトルは3つのステップで考えていきます。
それでは、ステップごとに実例を交えながら見ていきましょう。

step1 どんな学級にしたいのか、何を大切にしたいのかを明確にする

「思いやりのあるクラスにしたい」
「笑顔があふれるクラスにしたい」
「ひとりひとりが輝けるクラスにしたい」
「みんなが協力できるクラスにしたい」
「どんなことにも挑戦できるクラスにしたい」

地域の実態や担任の思いなどによって様々だと思いますが、「どんな学級にしたいのか」「この学級で大切にしたことは何なのか」「この学級通信で子どもたちのどんな姿を伝えたいのか」など具体的に考えましょう。

実例step1
 みんなにとって第2の家みたいに安心して過ごせる学級にしたい
 (そのために)お互いの個性を尊重できる、思いやりのある学級にしたい

step2 タイトルに使いたい言葉をリストアップする

step1で具体的にイメージすればするほど、使いたい言葉(キーワード)が出てくるはずです。それらをノートやパソコンなどにリストアップしていきましょう。どうしても言語化が難しい場合は、自分のイメージに合う楽曲の歌詞や曲名などから探してみるのも良いかもしれません。中学生以上を対象にした学級通信で、大人っぽいタイトルにしたいときは、まずは日本語でキーワードをリストアップしておき、後から英単語などに直すという方法もあります。

また、ここでリストアップしたキーワードに担任ならではのものを関連付けるのも面白い手法といえます。野球が趣味の先生なら野球の用語を、音楽科の先生なら音楽用語を使ってみてもよいでしょう。担任の「色」をタイトルに反映しやすくなります。

ちなみに、私は植物が好きなので花言葉を題材にしたタイトルをよく考えていました。

実例step2
 アットホーム 安心 あったかい ぽかぽか
 のびのび いきいき 個性 十人十色
 思いやり 優しさ 絆 協力 助け合い 愛 友情
 ゼラニウム(尊敬) ベゴニア(親切) サボテン(温かい心)
 チューリップ(思いやり) ポピー(陽気で優しい) アイビー(友情)

step3 タイトルの構成を考える

タイトルの構成の仕方としては、
①単語(慣用句、ことわざ)のみ
②単語+サブタイトル
のパターンがほとんどです。

わかりやすいタイトルにしたい場合や、短い言葉に思いを凝縮させている場合などは①が良いでしょう。反対に、単語だけでは込めた思いが伝わりにくかったり、複数の意味を持たせたタイトルにしたい場合は②のようにサブタイトルを付けた形にするのもおすすめです。
また、「○年○組」や「学級の人数」などをタイトルに入れるのも、学級通信を子どもたちにとってより「自分事」として捉えさせる工夫になります。

最後に、タイトルの表記(ひらがな、カタカナ、漢字、英語)などを整えて完成です。
タイトルに好きなフォントを設定したら、あとは本文を書いていくのみ!

実例step3
①のパターン
 ・ぽかぽか ・○年○組 きずな通信 ・さぼてん

②のパターン
 ・のびのび ~○組のアットホームな成長記~
 ・チューリップ~○人で咲かせる思いやりの花~
 ・ぽかぽか ~ふれあい 支えあい 助けあい~

「さぼてん」「サボテン」「仙人掌」「SABOTEN」「Cactus」
表記によって印象が大きく変わります。学級のイメージによって使い分けてみてください。

学級通信タイトル キーワード貯蔵庫

学級通信のタイトルや学級目標のブレーンストーミングに。
こちらを参考に、イメージする言葉をどんどん出していきましょう。
あなただけの素敵なタイトルができるはずです!

思いやりのある学級にしたい

アットホーム 安心 あったかい ぽかぽか
思いやり 優しさ 愛 ふれあい 共感

お互いの個性を尊重できる学級にしたい

のびのび いきいき 個性 十人十色
七色 虹 多様性 リスペクト 

笑顔があふれるクラスにしたい

笑顔 スマイル きらきら にこにこ
ほほえみ 元気 太陽 わっはっは

ひとりひとりが輝けるクラスにしたい

のびのび いきいき きらきら 個性
十人十色 一番星 輝き みんなが主役

みんなが協力できるクラスにしたい

絆 協力 助け合い 支え合い
友情 仲間 一致団結 一丸 切磋琢磨
チームワーク ワンチーム 信頼

どんなことにも挑戦できるクラスにしたい

挑戦 あきらめない 粘り強い 積極的
ポジティブ 七転び八起き ネバーギブアップ
失敗は成功のもと 励まし合い 切磋琢磨  

植物・花言葉に関するもの

花 花束 ブーケ 種 芽 つぼみ 花びら 木 根
ゼラニウム(尊敬) ベゴニア(親切) サボテン(温かい心)
チューリップ(思いやり) ポピー(陽気で優しい)
アイビー(友情) 朝顔(明日もさわやかに)
山茶花(困難に打ち勝つ) カランコエ(たくさんの小さな思い出)

スポーツに関するもの

【野球】
 プレイボール、ヒット、ホームラン、バッテリー、ファインプレー、ビッグイニング

【サッカー】
 ホーム、パス、キックオフ、ファンタジスタ、ハーフタイム、シュート

【バスケットボール】
 ジャンプボール、ミート、インテンシティ、ハッスル、アシスト、キャッチ、トランジション

【テニス】
 ガット(ストリング)、テンション、サーブ、スマッシュ、マッチポイント

音楽に関するもの

ラルゴ(ゆるやかに)、アパッシオナート(熱情的に)、エスプレッシーヴォ(表情豊かに)、ヴィヴァーチェ(活発に)スフォルツァンド(その音だけ特に強く)、ポコアポコ(少しずつ)、オブリガート(助奏)、コンチェルト(協奏曲)、マーチ(行進曲)、オーバチュア(序曲)、インテルメッツォ(間奏曲)、ブレス(息を吸う)、アインザッツ(音の出だし)トゥッティ(全員で)、ユニゾン(同じメロディを全員で)、ハーモニー(和声、調和)

個人的にはpoco a poco(ポコアポコ)、unison(ユニゾン)が好きです。
みんなの心がそろわないと、音が一つにまとまらない。でも、ピタッとそろった音は、まっすぐ遠くまで届く。そして演奏していてとても気持ちがいい!

中学生なら、中1は「序曲」、中2は「間奏曲」、中3は「行進曲」なども面白いかもしれません。

まとめ

今回は、学級通信タイトルの付け方の3ステップを実例付きでご紹介しました。

 step1 どんな学級にしたいのか、何を大切にしたいのかを明確にする
 step2 タイトルに使いたい言葉をリストアップする
 step3 タイトルの構成を考える

学級通信のタイトルは1年間使うものなので、大切に考えましょう。
私は、春休み期間のスキマ時間を使ってタイトルを考え、学校で学級通信を書き、学級開きで配布するという流れで毎年実践していました。

素敵な学級通信のタイトルが出来上がることをお祈りしています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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